逆境を「成長の負荷」に変える|レジリエンス(復元力)を高める身体と思考
- 健三 藤田

- 8月14日
- 読了時間: 7分

パーソナルトレーナーとして、日々さまざまな方の身体と向き合っています。
その中で、身体の変化以上に大切だと感じることがあります。
それは、思い通りにならない状況に置かれたとき、どのように立て直せるかという力です。
仕事が忙しい。
予定が崩れる。
思ったように身体が変わらない。
疲れてトレーニングする気になれない。
周囲の協力が得られない。
人生には、自分の努力だけではどうにもならないことがあります。
僕自身も、いつでも冷静に受け止められるわけではありません。
「なぜこんな状況なんだろう」と思うこともあれば、環境や誰かのせいにしたくなることもあります。
だからこそ、自分自身にも問いかけています。
「この状況を変えられないとして、ここから自分に何ができるだろう?」
この視点を持てるかどうかで、逆境の意味は変わります。
逆境をただの障害として終わらせるのか。
それとも、自分を適応させるための「負荷」に変えるのか。
今回は、身体と心の両面から考える「レジリエンス(復元力)」について書いてみます。
01|レジリエンスとは「折れないこと」ではない
レジリエンスという言葉を聞くと、
「どんなことがあってもへこたれない強い精神力」
というイメージを持つかもしれません。
でも、僕は少し違うと思っています。
強い人とは、傷つかない人ではなく、崩れたあとに戻ってこられる人です。
疲れることもある。
落ち込むこともある。
失敗することもある。
弱音を吐くこともある。
それ自体は、決して弱さではありません。
大切なのは、その後です。
「もう無理だ」で終わるのか。
「では、次に何ができるか」と考え直せるのか。
レジリエンスとは、常に前向きでいることではなく、自分の状態を受け止め、必要に応じて立て直す力なのだと思います。
02|逆境は「負荷」として捉えることができる
トレーニングでは、身体に適切な負荷を与えます。
普段より重い重量。
少し難しい動作。
心拍数が上がる運動。
当然、楽ではありません。
しかし、その刺激に身体が適応することで、以前よりできることが増えていきます。
もちろん、人生の逆境をトレーニングと同じように扱えるわけではありません。
それでも、ひとつ共通していることがあります。
負荷がかかったとき、人は適応を迫られる。
今までのやり方では対応できない。
だから考える。
工夫する。
誰かに相談する。
やり方を変える。
そして、少しずつ対応できる範囲を広げていく。
逆境そのものを望む必要はありません。
ただ、避けられない逆境に遭遇したとき、
「なぜ自分がこんな目に」
だけで終わらせず、
「この状況から、自分は何を身につけられるだろう?」
と考えてみる。
それだけでも、逆境との付き合い方は変わってきます。
03|「環境のせい」にしたくなったときこそ、自分に問いかける
ここは、僕自身も気をつけているところです。
何かがうまくいかないとき、
「環境が悪い」
「相手が悪い」
「時間がない」
と考えたくなることがあります。
実際、本当に環境が原因である場合もあります。
だから、「すべて自分の責任だ」と考える必要はありません。
むしろ大切なのは、
「何が自分のコントロールできる範囲なのか」
を切り分けることです。
環境そのものを変えられない。
でも、自分の行動は変えられるかもしれない。
相手を変えることはできない。
でも、自分の伝え方は変えられるかもしれない。
時間を増やすことはできない。
でも、限られた時間の使い方は変えられる。
ここに、レジリエンスを高めるための重要なポイントがあります。
「誰が悪いのか」を探し続けるより、
「今、自分が動かせるものは何か」
を探す。
これは自分を責めるためではなく、自分の選択肢を取り戻すための思考です。
04|探究心を失わない身体と思考
逆境に弱くなる原因のひとつは、「もう分かった」と早く結論づけてしまうことかもしれません。
「自分はこういう体質だから」
「忙しいから仕方ない」
「身体が硬いからできない」
「自分には向いていない」
そうやって理由を決めてしまえば、その先を調べる必要がなくなります。
でも、
「本当にそうなのか?」
「別の方法はないのか?」
「何を変えればできるのか?」
と考え続ければ、まだ選択肢は残っています。
トレーニングでも同じです。
できない動きがあれば、単純に「才能がない」と決めつけるのではなく、
可動域なのか。
筋力なのか。
バランスなのか。
呼吸なのか。
身体の使い方なのか。
原因を探していく。
探究心は、逆境から抜け出すための道具になります。
05|身体が持つ「復元力」を高める
レジリエンスは、精神論だけでつくるものではないと思っています。
睡眠不足で疲れ切っている。
身体を動かす体力がない。
呼吸が浅い。
筋力が落ちている。
身体の余裕がなくなれば、精神的な余裕も失いやすくなります。
だからこそ、身体の土台をつくる。
筋力。
持久力。
柔軟性。
バランス能力。
呼吸。
そして、休養や栄養。
身体に余力があれば、予想外の出来事が起きたときにも対応できる幅が広がります。
「疲れない身体」をつくるだけではなく、「疲れたあとに戻ってこられる身体」をつくる。
これも、トレーニングの大きな価値だと思っています。
06|トレーナー自身も、逆境への向き合い方を問われる
指導する側だからといって、常に正しい判断ができるわけではありません。
僕自身も、うまくいかないことがあります。
思ったように伝わらないこともある。
自分の判断が間違っていたと気づくこともある。
そんなときに、
「相手が理解してくれないから」
「環境が悪いから」
と考えてしまえば、それ以上の成長はありません。
だからこそ、
「自分の伝え方に改善できる部分はなかったか?」
「もっと違う方法があったのではないか?」
と振り返る。
これは、クライアントに求める以前に、自分自身が持っておきたい姿勢です。
レジリエンスとは、完璧な人間になることではありません。
失敗したあとに、修正できること。
知らないことを認められること。
必要なら人の力を借りられること。
そして、もう一度やり直せること。
そんな柔軟さも含めて「復元力」なのだと思います。
07|逆境を「成長の負荷」に変える
人生から逆境をなくすことはできません。
身体を鍛えていても、嫌なことは起こります。
健康に気をつけていても、思い通りにならないことはあります。
だから、逆境を完全になくそうとするより、
逆境が来たときに、以前より少しだけ対応できる自分をつくっておく。
そのほうが現実的なのかもしれません。
昨日より少し強くなる。
昨日より少し動けるようになる。
昨日より少し冷静に考えられるようになる。
昨日より少し早く立て直せるようになる。
その積み重ねが、レジリエンスにつながっていきます。
最後に
「強い身体」と聞くと、重い重量を持てる身体を想像するかもしれません。
でも、本当の強さはそれだけではないと思います。
疲れたときに休める。
失敗したときに修正できる。
思い通りにならないときに考えられる。
できないことを認めて、助けを借りられる。
そして、もう一度立ち上がれる。
それも、身体と心が持つ強さです。
僕自身も、まだその途中です。
だからこそ、クライアントの皆さんと一緒に身体を鍛えながら、自分自身にも問い続けたい。
「この逆境を、どう成長の負荷に変える?」
環境をすべて変える必要はありません。
まずは、自分の身体を整える。
自分の思考を整える。
そして、今ある環境の中で、自分にできる一歩を探す。
その積み重ねが、どんな状況でも自分を立て直せる「復元力」につながっていくのだと思います。
k-fit | 藤田 健三
福岡市・警固の完全個室パーソナルトレーニングジム 「本来の身体のバランスを取り戻す」をコンセプトに、運動・栄養・マインドフルネスを組み合わせた指導を行っています。
公式HP: https://www.k-f-i-t.com/
Instagram: https://www.instagram.com/kfit_fukuoka




コメント