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なぜSNSを見るほど焦るのか?「社会的比較」と「ダンバー数」から考える、現代人の脳の罠


SNSで疲れるのは、あなたの心が狭いからじゃない。脳の「バグ」に気づこう

SNSを見ていて、なんとなく焦る。

「この人は楽しそうなのに、自分は何もできていないな」

誰かの成功を見て落ち込んだり、逆に誰かの投稿に「なんか鼻につくな」とイライラしたり。

マウンティングや中傷を見て、別に自分には関係ないのに、なぜか気持ちがザワつく。

そんな経験はありませんか?


もしあるなら、まず伝えたいことがあります。

あなたの性格が悪いわけでも、心が狭いわけでもありません。

その反応の一部は、人間が長い時間をかけて身につけてきた「生き残るための脳の仕組み」が、SNSという新しい環境に追いついていないことから起こります。


言ってしまえば、脳のOSは太古のままなのに、SNSという最新アプリを動かしているようなものです。


脳は「150人くらいの村」で生きるようにできている


進化心理学でよく知られている考え方に「ダンバー数」というものがあります。

これは、人間が安定した社会的な関係を維持できる人数には、おおよそ150人という上限がある、という仮説です。

もちろん「人間は必ず150人しか付き合えない」という話ではありません。

大切なのは、私たちの脳がもともと、顔が見える限られた人数の集団の中で生きることを前提につくられてきたということです。

狩猟採集時代の小さな集団では、

  • 誰が信頼できるのか

  • 誰が仲間なのか

  • 自分は集団の中でどんな立場なのか

こうした情報は、生きていくうえでかなり重要でした。

集団から孤立することは、今よりずっと大きなリスクだったからです。

だから人間の脳は、他人からどう見られているか、誰が自分より上なのか、誰が脅威なのかを敏感に察知するようになりました。

つまり、

「他人と比べてしまう」「評価が気になる」「人の嫌なところに反応してしまう」

というのは、ある意味では正常な反応でもあります。

問題は、SNSによってその対象が一気に広がってしまったことです。


SNSで起こる、3つの「脳のバグ」


1.「社会的比較」が止まらなくなる

心理学には「社会的比較理論」という考え方があります。

簡単に言えば、人間は自分の状態を知るために、自然と他人と自分を比べる傾向がある、というものです。

昔なら比較する相手は、家族や友人、近所の人など、限られた範囲でした。

ところがSNSではどうでしょう。


年収、旅行、仕事、恋愛、結婚、身体、食事、ライフスタイル……。

世界中の「人生のハイライト」が、毎日スマホに流れ込んできます。

脳からすれば、村の中の数人と比較していたはずなのに、突然「世界中の上位層」と比較させられているようなもの。

そりゃ、疲れます。


2.「いいね」で承認欲求のループができる

「いいね」やフォロワー数も、脳を刺激します。

本来、集団の中で認められることは、生存や人間関係にとって意味のあることでした。

ところがSNSでは、それが数字として可視化されます。

「いいねが増えた」     「認められた」     もっと欲しくなる     投稿や反応を気にする

この繰り返しが起こりやすくなります。

数字そのものに価値があるというより、脳がその数字を「集団の中での評価」として受け取ってしまうわけです。

3.顔が見えないと、攻撃性のブレーキが弱くなる

SNSでは、相手の表情や声を直接見ることがありません。

心理学では、こうした状況で「脱個人化」と呼ばれる現象が起こることがあります。

簡単に言えば、「目の前に一人の人間がいる」という感覚が薄くなることです。

対面なら言わないような強い言葉も、画面越しだと書けてしまう。

「こんなこと言ったら相手は傷つくだろう」というブレーキが弱くなり、攻撃性が出やすくなることがあります。


そして、それを見ている側まで疲弊してしまいます。

「太古の脳が焦っている」と考えてみる

では、どうすればいいのでしょうか。

僕がおすすめしたいのは、まず自分の反応を一歩引いて見ることです。

SNSを見て焦ったとき、

「自分はなんてダメなんだ」

と考えるのではなく、

「あ、今、太古の脳が“村の中で置いていかれる!”って焦ってるな」

くらいに考えてみる。

これだけでも、少し距離ができます。

「これは本当に自分が望んでいることなのか?」

「この人と比較する必要があるのか?」

そうやって問い直すことで、SNSの情報に反射的に反応するのではなく、自分で選べるようになります。


そして、身体を使う

もう一つ大切なのが、スマホから離れて身体を動かすことです。

SNSを見続けていると、頭の中は常に「情報」「評価」「比較」でいっぱいになります。


そんなときこそ、

散歩をする。

トレーニングをする。

深く呼吸する。

外の空気を感じる。

汗をかく。

こうした時間は、頭の中で膨らみ続けた意識を、「今ここにある身体」へ戻すきっかけになります。


デジタルデトックスも、単純に「スマホをやめよう」という話ではありません。

自分の注意や感情を、SNSに預けっぱなしにしないための時間です。


SNSの数字は、あなたの価値ではない


フォロワー数。

いいねの数。

誰かからの評価。

誰かより成功しているかどうか。

それらは、あなたという人間の価値を測るものではありません。

SNSは便利です。

でも、人間の脳が想定していなかったほど大量の「他人」を、毎日見せてくる場所でもあります。

だから疲れるのは、あなたが弱いからではない。

人間の脳が、まだSNSという環境に完全には適応していないだけかもしれません。


焦ったら、スマホを置く。

少し歩く。

身体を動かす。

呼吸をする。

そして、

「今、自分は誰と、何を比べているんだろう?」

と立ち止まってみる。

その小さな習慣が、SNSに振り回されず、自分の人生に意識を戻すきっかけになるはずです。 k-fit | 藤田 健三

福岡市・警固の完全個室パーソナルトレーニングジム 「本来の身体のバランスを取り戻す」をコンセプトに、運動・栄養・マインドフルネスを組み合わせた指導を行っています。

 
 
 

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