タスクは一番デカいものから取り掛かれ
- 健三 藤田

- 18 時間前
- 読了時間: 5分

「今日はまず、軽いメールの返信から片付けよう」
もしあなたがそう考えているなら、トレーナーとして声を大にして言いたい。それ、逆です。
仕事でもジムでも、人が挫折するパターンにはある共通点があります。それは「簡単なものから手をつけて、一番きついものを後回しにする」こと。今日は筋トレ指導で何百人ものクライアントを見てきた経験と、心理学の知見を照らし合わせながら、なぜ「一番デカいタスクから取り掛かるべきか」を解説します。
トレーニングの現場で見えてきたこと
ジムでのセッションを思い出してください。多くの人は最初にストレッチや軽いセットから入ります。ここまでは問題ありません。しかし本番のメインセット、いちばん重い重量・いちばんキツい種目をどこに配置するかで、その日のセッションの成果が大きく変わります。
疲れてから一番重い種目に挑む人と、体力が満タンの状態でまず最重量種目を終わらせる人。後者のほうが明らかにフォームが安定し、扱える重量も伸び、何よりセッションを最後までやり切る人が多い。これは私が現場で何度も見てきたことです。
そしてこれは、トレーニングだけの話ではありません。
仕事も、人生も、「一番デカいタスク」ほど後回しになる
企画書、面倒な連絡、片付けなくてはいけない案件。頭では「これが一番大事」と分かっているのに、気づけば小さな雑務ばかり片付けて、夕方には「今日も進まなかった」とため息をつく。
そして実は、多くの人にとって「一番デカいタスク」は、仕事のことだけではありません。
・運動したほうがいいのは分かっている
・食生活を見直したほうがいいのも分かっている
・最近、体型や体力の変化が気になっている
・でも「今度こそ」と思いながら、いつも来週に持ち越している
これも立派な「後回しにされている一番デカいタスク」です。厄介なのは、仕事の締め切りと違って、身体のことには明確な期限がないこと。だから何年も、何十年も、静かに先延ばしにできてしまうのです。
なぜ人は「デカいタスク」を避けるのか──心理学の視点から
① 意思決定には「消耗」がある
心理学には「自我消耗(ego depletion)」という考え方があります。判断や自制を繰り返すうちに、その後の意思決定の質が落ちていく、という現象です。提唱したロイ・バウマイスターの研究は非常に有名ですが、一方で2016年に2000人規模で行われた追試では同じ結果が再現されなかったという報告もあり、学術的には現在も議論が続いています。
つまり「意志力は朝が100%で、使うたびに正確に減っていく」と断定することはできません。ただ、疲れてくると人は易きに流れやすく、面倒なことを後回しにしがちになる──これは私自身、トレーナーとして現場で日々目にしている実感です。理論の細部に議論があっても、「一番負荷の大きいことは、まだ余力があるうちに動いておく」という戦略が損になることはまずありません。
② 終わっていないことほど、頭に残り続ける
「ツァイガルニク効果」という心理現象があります。人は完了したことより、未完了のことのほうを記憶に留めやすい、という傾向です。
一番デカいタスクを後回しにすると、他の作業をしている間もずっと、頭の片隅に「あれ、まだやってないな」という重しが残り続けます。これが地味にエネルギーを奪う。身体のことも同じで、「そろそろ運動しなきゃ」という意識がずっと頭のどこかに引っかかったまま日々を過ごしている人は、実はとても多いです。
③ 「できた」という感覚が、次の行動を後押しする
心理学者アルバート・バンデューラが提唱した「自己効力感」――「自分にはこれができる」という感覚は、その後の行動に大きく影響することが知られています。
一日の最初に一番デカいタスクをやり切ると、「今日、一番きついことをクリアできた」という手応えが残ります。この感覚が、次の一歩を踏み出すハードルを下げてくれる。逆に、後回しにし続けていると「今日もできなかった」という記憶ばかりが積み重なり、動き出すこと自体がどんどん重く感じられるようになります。
「大切なことほど後回しにする」のは、忙しいからではない
ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。
「忙しくてできない」は、半分本当で、半分言い訳です。
本当に忙しい人ほど、実は小さな雑務に逃げています。大きくて、重要で、少し怖いタスクに向き合うより、目の前の簡単なことを片付けているほうが「やってる感」を得やすく、精神的に楽だからです。
身体のことも同じではないでしょうか。「時間がないから運動できない」のではなく、「一番大事なことだからこそ、向き合うのが少し怖い」。そういう感覚に、心当たりはありませんか。
今日からできる、小さな一歩
いきなり「一番デカいタスク」に完璧に取り組む必要はありません。まずはこれくらいで十分です。
1. 今日のタスクの中で、一番デカいものに印をつける
2. それを、一日の一番最初に着手する
3. 身体のことについても、「一番デカいタスク」は何かを一度書き出してみる
「食事を全部変える」でも「毎日ジムに通う」でもなく、たとえば「今週中に体重を測る」でも、「一度、専門家に相談してみる」でもいい。一番大きなハードルを、一番小さな一歩に分解して、まず動くことが大事です。
さいごに
タスクは、一番デカいものから取り掛かる。
これは仕事術であると同時に、自分の身体や健康との向き合い方でもあります。
「いつかやろう」の「いつか」は、多くの場合、来ません。今日、あなたが後回しにしている一番デカいタスクは何ですか。それはもしかすると、資料でも、連絡でもなく、あなた自身の身体のことかもしれません。
---
もし、一番デカいタスクが「自分の身体や健康」だと気づいたけれど、何から手をつければいいか分からない──そんな方は、一人で抱え込む必要はありません。
福岡・警固エリアにあるパーソナルトレーニングジム「k-fit」では、完全個室・完全予約制で、一人ひとりの生活や身体の状態に合わせたトレーニングを行っています。ダイエットだけでなく、姿勢や身体の使い方、日々のコンディション作りまで、幅広くサポートしています。
最初の一歩を自分だけで踏み出すのが難しいと感じたときは、専門家に相談してみるのも一つの方法です。まずは無料カウンセリングで、今の身体やお悩みについて気軽にお話しするところから始めてみませんか。
(公式HP・お問い合わせページへのリンク)

![[現実がつらい時こそ走れ]トレーナーが教える、身体の苦しさで脳のモヤモヤを消す技術](https://static.wixstatic.com/media/11062b_bf051e8347a64d3c9d02f4e87845dcbf~mv2.jpg/v1/fill/w_980,h_653,al_c,q_85,usm_0.66_1.00_0.01,enc_avif,quality_auto/11062b_bf051e8347a64d3c9d02f4e87845dcbf~mv2.jpg)


コメント