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『荘子』の【不足に立ちて無有に遊ぶ】で始める、ブレないボディメイク


「ない」から選ぶな。「空」から動け。——


ボディメイクの情報が溢れかえり、SNSを開けば「これを食べろ」「このフォームは間違いだ」と正解らしき言葉が飛び交う現代。

「自分も昔はそこそこ動けていたし、本気を出せばいつでも戻せる」

心のどこかでそう思いながら、結局今日も何も始められないまま一日が終わる。

新しい知識を仕入れる気も起きないし、今さら人に教わりたくもない。そんな状態で止まってしまっている人は、実は少なくありません。


10年以上現場でクライアントの体と心に向き合ってきて、はっきりと分かったことがあります。

あなたが動けないのは、意志が弱いからでも、努力が足りないからでもありません。

「足し算のボディメイク」に疲れ切っているからです。


「不足に立ちて無有に遊ぶ」とはどういうことか


古代中国の哲学者・荘子の言葉に「不足に立ちて無有に遊ぶ(不足にたちて むゆうにあそぶ)」という考え方があります。

多くの人は、「腹筋を割らなければ」「筋肉をつけなければ」という不足感(足りない自分)を穴埋めするためにトレーニングを始めます。

しかし、欠乏感を原動力にすると、ボディメイクは義務になり、比較と焦燥感の戦いになってしまいます。


一方、「不足に立ちて無有に遊ぶ」とはこうです。

  • 不足に立ちて:現在の自分の状態(身体の硬さ、筋力の衰え、余分な脂肪、限界)を、否定も肯定もせず「ただそのままの事実」として静かに受け入れること。


  • 無有に遊ぶ:固定概念や「こうあるべき」という執着を捨て、まっさらな状態(無)から身体を動かすプロセスそのものを楽しむこと(遊ぶ)。

「過去の引き締まっていた自分」という幻影に執着するのをやめ、「今の自分の体」をただの出発点として淡々と受け入れる。 そこから「今日はどう体が動くか」を軽やかに観察しながら動く。

これこそが、情報過多の時代において、最も強く、途切れることのないボディメイクのマインドセットです。

なぜ「昔はできた」と思っている人ほど動けなくなるのか

「過去の自分」を知っている人ほど、現在のスタートラインに立つことを嫌がります。

「昔はこの重量が上がった」

「前はちょっと食事を抜けばすぐ落ちた」

この記憶が邪魔をして、衰えた「現在の不足している自分」と向き合うのが怖くなるのです。 そして、手軽に結果が出そうな最新のダイエット法やトレーニング理論の情報ばかりを追いかけ、頭でっかちになり、結局身体は1ミリも動かない。

しかし、外側の情報や過去の栄光をどれだけ集めても、今のあなたの筋肉や骨格は1グラムも変わりません。

知らない知識をこれ以上増やす必要はありません。 むしろ、一度すべての情報を削ぎ落としてください。

「〇〇理論」「効率的なボディメイク」といった知識の鎧を一度脱ぎ捨て、ただ「今、ここにある自分の身体」の感覚に戻ること それが、荘子の言う「無有(固定概念のない自由な境地)」に遊ぶということです。

「遊ぶ」ように身体を動かす3つのステップ

現場の指導で結果を出し続けている人が実践しているのは、至ってシンプルなマインドの切り替えです。

1. 身体の「現在地」を冷徹に受け入れる(不足に立つ)

まずは「昔の自分」を完全に手放してください。 鏡に映る今の姿、上がらない重さ、固くなった関節。 それを悲しむでもなく、言い訳するでもなく、「ふん、今の状態はこうか」とただ観察します。 評価を下さないことがポイントです。

2. 「正解」を求めず、自分の感覚を観察する(無有に遊ぶ)

「どの種目が一番効くか」を探すのをやめましょう。 スクワットをひとつするにしても、足の裏のどこに体重がかかっているか、息を吸った時に肋骨がどう広がるか。 自分の身体の内側の感覚に集中します。 フォームの正解・不正解に捉われず、身体を動かす実験を楽しむ感覚です。

3. 「何をするか」ではなく「何を削ぎ落とすか」を考える

新しいサプリメントや過激なメソッドを足すのではなく、日常の不要な力み、無駄な暴飲暴食、SNSの比較によるストレスを削ぎ落とします。 ボディメイクの本質は「足し算」ではなく「引き算」です。

体が変わるのではない。自分が身体に戻ってくるのだ

ボディメイクとは、世間が決めた理想の型に自分をハメ込む作業ではありません。 情報に振り回され、頭にばかり行っていた意識を、再び自分の身体に取り戻すプロセスです。

「またやればできる」と思っているなら、その「やる」の定義をハードルの高いトレーニングから、「今の自分の身体をじっくり観察して1回動かす」という軽やかなものに変えてみてください。

知識も、比較も、過去のプライドも、すべて「無」にして一歩を踏み出す。

その先にあるのは、他人の目に怯えるためのカラダではなく、あなた自身が心の底から自由に動かせる、しなやかで強い身体です。

まずは今日、深呼吸を一つして、自分の足の裏が地面についている感覚を感じることから始めてみませんか。

k-fit | 藤田 健三 福岡市・警固の完全個室パーソナルトレーニングジム 「本来の身体のバランスを取り戻す」をコンセプトに、運動・栄養・マインドフルネスを組み合わせた指導を行っています。

 
 
 

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