予防原則(Precautionary Principle)とは?
- 健三 藤田
- 6月20日
- 読了時間: 3分

〜日本人の健康リテラシー〜
私たちが毎日当たり前のように食べている食品。
その安全性をどのように判断し、管理しているかについて、国ごとに大きな違いがあることをご存知でしょうか?
この記事では、「予防原則(Precautionary Principle)」という欧州で一般的な考え方を紹介しつつ、日本人の健康リテラシーとのギャップについて考えていきます。
1. 予防原則(Precautionary Principle)とは?
予防原則とは、簡単に言えば、
> 「明確な科学的証拠が揃っていなくても、健康や環境に害を及ぼす可能性があるものは事前に規制・制限する」
という考え方です。
ヨーロッパでは常識
この原則は、EUをはじめとする多くのヨーロッパ諸国で採用されています。
食品や化学物質、医薬品、農薬などの分野で特に強く反映されており、以下のような特徴があります。
* 少しでも危険性が示唆される添加物は禁止または使用制限
* 子どもや妊婦などリスクの高い人を基準に安全性を判断
* 健康被害が出てからでは遅い、という“未来への責任”を重視
2. 日本は「結果が出てから対応」型
対して、日本の基本スタンスは以下の通りです:
> 「有害性が“科学的に証明された場合”にのみ規制を行う」
つまり、「明確なリスクがない=安全」とされる傾向があり、企業側に有利な「後手の対応」が一般化しています。
例:添加物の扱い
* EUで禁止されている着色料や保存料が、日本では普通に使われている
* 「規制がない=安心」ではなく、単に“予防”の概念がないから使われているだけ
このギャップが、海外の人たちにとっては「日本の食品って意外と怖い」と映る原因になっています。
3. 日本人の健康リテラシーの現状
ここで問いたいのが、「私たち日本人は、本当に自分の健康を守る知識を持っているか?」ということです。
健康リテラシーとは?
>健康情報を正しく読み解き、判断し、行動に移す力
ところが日本では…
▼ 現状の課題
* パッケージの成分表示を見ない人が多い
* メディアやSNSの情報に踊らされやすい
* 「国が許可してるんだから大丈夫でしょ」という受け身の姿勢
▼ その背景には…
* 学校教育で“食の安全”を深く教えられていない
* 表示制度が分かりづらく、透明性に欠ける
* 政府や行政機関が、消費者保護よりも業界保護を優先している傾向
4. 健康リテラシーが高い国はどう違うのか?
例えばフランスやドイツでは、子どもの頃から「食の選び方」や「成分表示の読み方」を学校で学びます。
また、大人も日常的にスーパーで原材料表示をチェックするのが当たり前です。
これに対し、日本では“安い・うまい・手軽”が選択基準になりやすく、成分よりブランドや見た目が優先されがちです。
5. 私たちにできること
健康リテラシーを高めることは、予防原則のような仕組みが日本にまだ根付いていないからこそ、個人レベルでできる“自衛”の第一歩です。
今日からできる3つの行動
1. 食品表示を確認する習慣を持つ
特に、着色料・保存料・甘味料などの添加物には注目。
2. SNSや広告に流されず、自分で調べる姿勢を持つ
3. “安さ”よりも“安心”を選ぶ意識を持つ
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✍️ おわりに
「予防原則」は、ただのルールではなく、未来の健康と命を守るための哲学です。
残念ながら日本ではまだ広く導入されておらず、私たちは「黙っていても守られる」社会に生きているわけではありません。
だからこそ、自分の身は自分で守るという姿勢=健康リテラシーを、一人ひとりが持つことが今とても大切なのです。
「これは安全?」と疑問を持つことこそ、あなたの健康への第一歩です。
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